彩りの世界の中で

エッセイ風に描く日常の風景

真夜中のMTV


家に帰って来たのは23時過ぎ。
近所のスーパーで唐揚げとビールを買って来た。
まずは、シャワーを浴びよう。この世の中の空気で汚れきった身体を清めたい。
自分の部屋は神聖な場所だ。
汚ない身体ではくつろぎたくない。
初夏というには早い季節の今は、お湯の温度は37℃。ぬるくもなく、熱くもなく丁度いい。
シャワーを浴び、サッパリしたところで、遅すぎる夕飯だ。
買ってきた唐揚げと、シャワーを浴びている間に炊いたご飯、冷たいビール。
完全に栄養は偏っている。
けど、美味いものは美味い。仕方ない。
とりあえず、ビールを一口。美味い。
そのまま、リモコンに手を伸ばす。
テレビをつけると、音楽チャンネルがついた。 今日はライブをやっている。
ここ最近で人気が上がってきているバンドだった。
私は音楽が好きだ。
「音楽は世界を救う」と、本気で思っている。
ライブにもよく行く。好きなライブハウスは恵比寿のリキッドルーム。とても見やすくて音響も良いし、1階のエントランスも広くて快適。何よりカフェが併設されているので、待ち時間にゆったり過ごせる。
疲れた身体に音楽が染み渡る。
とても心地よい。
ビールを飲みながらの音楽番組は、どうしてもライブに行きたい衝動を抑えきれなくなる。ライブハウスで飲むビールは何故にあんなに美味いのか。
ほろ酔い気分で、爆音で音楽を聴いていると酔いが回るのがいつもより早くなる。
2回目だが、とても心地よい。
季節はもうすぐ梅雨。梅雨が明ければ、そう、夏がやってくる。
夏といえば、そう、夏フェスだ。
夏フェスにハマってから早10年。毎年、どこかのフェスに行く。
この時のために1年間頑張って働いていると言っても過言ではない。
夏フェスについては、また改めて書こうと思う。
まだ先なのに、夏を想うとテンションが上がる。今年は誰と行こうか。そんな妄想を繰り広げているうちに、音楽番組が終わった。
気づけば時計は深夜1時を過ぎていた。
明日も仕事だ。さっさと寝よう。
大好きな夏を楽しむために、明日もがんばろう。

制作進行

私はアニメ制作会社の制作進行をしている。
3年くらい前に「SHIROBAKO」というアニメ制作会社を舞台にしたTVアニメが放送されていたので、仕事について、なんとなく知っている人もいるだろう。
世間の噂では「寝れない」「帰れない」「辛い」「きつい」などネガティブなイメージが付き纏う。
実際のところは、思っていたよりも、「寝れる」「帰れる」「楽しい」と私は思う。
それは、私が元々アニメーション作りが好きだからというものが根本的にあるのだろう。あとは、アニメスタッフが好きなんです。
制作進行とは、担当話数の立ち上げから納品まで、アニメーションのスケジュールを管理し、作画、色彩、撮影、背景などのスタッフを集めて作業の進捗を管理する。
制作進行は、私にとって、本当に天職な気がしている。
と、いうのは、先ほども伝えたように、アニメスタッフが好きなんです。
色んなアニメスタッフとお話ができて、一緒に作品を作っていける。
こんなに楽しい仕事は、他には無いと思っている。
憧れだった監督やカリスマアニメーターと同じ作品のエンディングに名前が載る。
それだけで、辛かった3ヶ月間を忘れてしまう。
TVアニメーションは、約8週で作るのが通常だと思っている。
私は今まで、絵コンテ(画面構成の元になる絵のシナリオみたいなもの)がUPしてから4週で納品しなくてはならない作品を担当したことがあるが、なんとか完成するもんだなぁと自分で感心してしまった。
その時の記憶はほぼ無い。
6週では少ないし、8週が丁度いいと思っている。
本当に忙しい時は、いつの間にか机で気を失っている時がある。
それでも、私はこの仕事が好きだ。
佳境の時期は一週間お風呂に入れなくても、会社で寝ていて足を捻挫しても、ご飯を食べている時間がなくて栄養足りなくて足が痺れていても、私はこの仕事が好きだ。
作品が完成して、自分の名前がエンディングに載っているのを見ると、親孝行をしている気がするのだ。
これからも続けていけるのか、わからない。体力的な問題もある。
だから、私は、今を大切に皆さんと作品を作っていきたいと思う。
今しかない時間を大切に過ごそう。
それは、いつか、大切な財産になっていくだろう。

西新井大師 ep03

護摩ご祈祷の時間が迫り、大本堂の右側より、中に入る。
そこは、金色の世界だった。
とても煌びやかで神々しい空間だった。
中央の御本尊様の左右にも菩薩様が祀られていた。
私は一番前の列の中央に座った。
目の前に広がる金色の世界に私は圧倒された。
一緒にご祈祷を受ける人数はざっと見て30人くらいいたような気がする。
しばらく待っていると、一人の僧侶が出てきて、説明をしてくれる。
法衣の色が綺麗な緑だった。今まで、実家のある田舎の小さなお寺のお坊さんしか見たことなかった私は、その綺麗な法衣の色に驚いた。
そして、説明が終わると、下がって行った。
そして、間も無くして、ご祈祷が始まった。
10人ほどの緑色の法衣を纏った僧侶が御本尊様の周りを囲む。
最後に朱色の法衣を纏った僧侶が中央に座った。
そして、ご祈祷が始まる。
護摩の炎が天井高くまで上がる。
僧侶が唱える。
目を瞑って心静かに、ただ、静かに。
その空間は、確実に次元を超えていたように思えた。
宇宙につながる感覚を初めて感じた。
綺麗なオレンジの炎が、ただ静かに。

ご祈祷が終わると、名前を呼ばれて、お札を頂ける。
初めての本格的な厄除けは、ここ、西新井大師にしてよかったと思う。
また来年も来よう。

大本堂を後にし、今度は階段を左手側に行って見ることにした。
奥の方にお稲荷様が祀ってあった。出世稲荷だ。
赤い旗が並び、その先に小さな祠がある。
こちらもとても御利益ありそうな雰囲気だった。

お稲荷様を後にして、今日の目的は達成。
とても充実した休日を過ごせた。
また来よう。
そう思って、私は西新井大師を出た。

西新井大師 ep02

ご祈祷までの間に境内をブラブラと歩く。
今日は、なのか、毎日なのか、毎週なのか。
初めて来た私にはわからないが、フリーマーケットのようなものが開かれている。
天然石、陶器、骨董品、古着など様々なお店が、10店ほど境内に出ている。
それとは別に、食べ物の屋台も出ている。
店員は皆、顔見知りのようで、近況などの報告をしながら談笑して居てとても心地よい雰囲気だった。
私はまず、大本堂へお参りに向かった。
人がまばらな今日はすぐに順番が回って来た。
お賽銭を入れて、合掌して祈願する。ここはお寺なので、拍手はしない。
心を穏やかにして、仏様と心を通わせる。何かがすっと入ってくる感覚がある。
ご挨拶を終えて、いつもならおみくじを引くのだが、今日はやめておいた。
なぜなら、この後に東京大神宮へ月一のお参りに行くからだ。
おみくじはそちらで引こうと思っていた。
大本堂の階段を降り、右手側に向かう。
受付をした事務所の後ろ側に、小さな六角形の建物がある。六角観音堂だ。
ここには聖観世音菩薩像が祀られているらしい。通称・ぼたん観音というらしい。この前にもお店が開かれて居た。売っているのは、おじいさんで天然石のアクセサリーを扱っているようだった。
その近くに赤い建物がある。三重の塔になっている。
赤い三重の塔の後ろ側に、お地蔵様がたくさんある場所があった。水子を供養していると説明が書いてあった。その場所の雰囲気が、とても怖い感じがした。
魂が集まる場所。人は立ち入ってはいけないところだろう。
右手に曲がると、ひらけた場所に出る。
そこは、周りに石が敷き詰めたれて居て、中央には観音様。周りにたくさんの地蔵様がいらっしゃる。ここは、厄除け弘法大師様のご利益と観音様のご慈悲の功徳を一時に与えてくださる礼拝所。お賽銭を入れ、まず中央で一礼、そのまま念仏を唱えながら観音様の周りを左へゆっくり歩く。一周し、中央で合掌する。
私の祈りが届くといいなぁ。*1
礼拝所の後ろ側には、弘法大師様の立像がある。
ご挨拶をし、先に進む。
すると、池が見えてくる。池の端に、稚児大師像がある。ここは、子育てや学業成就の御利益あるらしい。こちらにもご挨拶を済ませ、池の方を見ていると、声を掛けられる。とても品のあるおばさまがこちらを見ている。
「お姉さん、こっちを見てご覧なさい」
言葉遣いもとても丁寧で、すごく好感を持った。すごくオーラを感じた。
私が近づくと、さっと池の方に手を向ける。
「ここにも、弘法大師様がいらっしゃるの」
おばさまが手を向けた先を見ると、池のほとりに小さな弘法大師様の像があった。
「この弘法大師様に手を合わせてご覧なさい。願いが叶うわよ」
私は言われるがままに、手を合わせた。
「私はね、いつもお祈りをしているのだけれど、ここの弘法大師様が一番、御利益があるのよ」
きっと、あなたにも彼氏ができるわ。そう言ってニッコリと微笑む。
その時、私の願いは叶うんだ。となぜか確信が持てた。
私は大丈夫なんだ。そう思えた。
色々と詳しそうなおばさまに、西新井大師でおすすめの場所はないですか?と訪ねてみる。
すると、場所を案内してくれると、一緒に歩き始めた。
おばさまは「いつも感謝を持って祈りを捧げていれば、必ず叶うわよ」とにこやかに話しをしてくれた。若い頃は全国の寺院を参拝に回っていたと短い時間でいろんなことを教えてくれた。
池の向こう側の森のように木が生い茂っている場所に、観音様が祀られている。
観音様は、ピンク色のお召し物をしており、とても可愛らしい佇まいだった。
「ここは、女性の願いを叶えてくれる観音様が祀られているのよ。手を合わせてご覧なさい。きっと叶うわ」
すごく神聖な雰囲気で、優しい表情の観音様に手を合わせ、ご挨拶をした。
そうこうしているうちに、厄払いのご祈祷の時間が迫っていた。
私は、親切なおばさまにお礼を言って、大本堂へ向かった。
また、お会いできるといいな。素敵なおばさま、ありがとうございました。

*1:ここに脚注を書きます

西新井大師 ep.01

赤羽からバスに揺られること約30分。

普段は路線バスに乗ることのない私は、バスに揺られる感覚がとても新鮮で、ちょっぴり緊張している。

日曜日だからか、バスの中は比較的空いていて、運良く座ることが出来た。

外の風景は見たことのない景色。窓の外を眺めながら、ボンヤリと次の小説ネタを考えていた。

そうこうしていると、最寄りの「西新井大師前」のバス停に着いた。

初めて来た。
女性の厄払いで有名なこのお寺に、厄除けにやってきた。
今日は日曜日にも関わらず、人が疎らだった。
仏滅だからだろうか。と考えながら、お寺さんまでの道を歩く。
仲見世通りには、昔ながらのお店が軒を連ねる。
私が興味を惹かれたのは、煎餅屋さんだ。
昔ながらのガラスケースやガラス瓶に煎餅が入っている。
映画でよく観るやつだ!とテンションが上がる。

小心者の私は、特にお店の方に話しかけることもなく、その場から歩き出す。
道を真っ直ぐ進んでいくと、正面に大門が見えてくる。
大門の手間には、道の両脇に草だんご屋さんがあった。
店員のおばちゃん達が「厄除けにいかかですか?草だんごです!良かったらどうぞ」と試食の草だんごを差し出してくれた。
私は、思わず手に取って食べた。甘さ控えめで、食べやすかった。
帰りに買って帰ろうか。と考えながら、大門に向かって再び歩き始めた。
大門は現在は工事中らしく、左横の細い道から、境内入って行った。
すると早速、かの有名な「幸福の指輪」の露店を発見した。
実は、婚活中の私。インターネットで「縁結び」について調べつくしている。
ここ、西新井大師の露店の指輪は、「厄除け、縁結び」有名である。
この露店の指輪を買って毎日付けていると、一年以内に彼氏が出来たり、結婚したりするらしい。
私が興味を持って、見ていると、露店のお兄さんが指輪について説明をしてくれた。

インターネットの情報とほぼ同じ事を言っていた。
その最中にも、一年経った指輪を返しにくるお客さんがいた。
皆んな考えることは一緒なんだなぁ。と何故か一人で仲間意識を持ってしまった。
しかし、私の今日の目的はあくまで、厄除け。
横から常連さんが来たこともあり、私は露店を去った。
厄除けの受付に向かう。
今日は本当に空いていて良かった。次の回で入れそうだ。
生年月日や祈祷内容を記入し、料金を納めた。
「開始の10分前までに本堂へお入りください。」
ご祈祷が始まるまであと40分はある。
時間になるまで、境内をブラブラすることにした。

つづく。

真夜中の電車

就活中の私は、今日も企業で面接があった。
手ごたえは、ほぼ無い。
これで10社目だ。
こうも立て続けに落ちると、自分が社会必要とされていないのではないか。と思えてきた。
一人暮らしのマンションに帰ってきて、手早く着替えを済ませて、早速、求人サイトを検索する。
ご飯を食べる気力も無いので、コンビニで買ってきたお菓子を食べながら、ひたすらネットサーフィンをする。
気づいたら夜中の2時すぎ。
もうこんな時間か。とそろそろお風呂に入ろうか。と動き出そうとした瞬間に
ファァァン!
電車のクラクションが聞こえた。
私は耳を疑った。
確かに、私の住んでいるマンションは、目の前が線路になっているが、もう終電はとっくに過ぎている。
こんな時間に電車の音が聞こえるなんて、ありえない。
私の空耳だろうか。
そんなはずはない。確かに聞こえた。
あまりにも就職が決まらないので、神様がお迎えにきたのだろうか。
それなら、それで、なんだか面白い。
私は神にでもなれるのだろうか。
恐る恐るカーテンを開けてみる。
駅の方が明るい。電気が点いている。
恐らく、線路の点検か、電車の試走だろう。
なんだ。と、ホッと安心する。
けど、こんな時間まで働かないといけないなんて、鉄道関係も大変だなぁ。
私は、もし就職できたら、会社のために、そこまで出来るのだろうか。
自分を犠牲にして、自由を捨てて。
社会に貢献出来るのだろうか。
「…寝よ」
考えても仕方ない。
今は、目の前の生活を守らなければ。
自由があるとしたら、その先だろう。
私は、そんな事を考えながら、布団に入り、目を閉じた。

 

ごあいさつ

初めましての方もいらっしゃると思います。

さくらわかと申します。

文章を書くのが好きでブログや小説、シナリオを書いています。

普段はアニメ会社で制作進行をしつつ、色彩関係の仕事もしています。

将来の夢は、自分の作品を劇場で上映することです。

シナリオライターのお仕事もしたいなぁと思い、現在、修業中です。


このブログは、エッセイ風に日常で見た風景を描いていこうかなぁ。と思い、開設しました。

きっかけは、星野源さんの著書です。
元々、星野源さんが好きで、先日本屋で著書を発見し、新刊を買いました。

私も何かテーマを決めて、自分の言葉で描くことをすれば、将来的に役に立たつかも?

と考えました。
修業や勉強も兼ねて、更新していけたらと思っております。

お見苦しい文章を書くこともあるかもしれませんが、末長く長い目で成長を見守って頂けると幸いです。
よろしくお願い致します!