彩りの世界の中で

エッセイ風に描く日常の風景

西新井大師 ep02

ご祈祷までの間に境内をブラブラと歩く。
今日は、なのか、毎日なのか、毎週なのか。
初めて来た私にはわからないが、フリーマーケットのようなものが開かれている。
天然石、陶器、骨董品、古着など様々なお店が、10店ほど境内に出ている。
それとは別に、食べ物の屋台も出ている。
店員は皆、顔見知りのようで、近況などの報告をしながら談笑して居てとても心地よい雰囲気だった。
私はまず、大本堂へお参りに向かった。
人がまばらな今日はすぐに順番が回って来た。
お賽銭を入れて、合掌して祈願する。ここはお寺なので、拍手はしない。
心を穏やかにして、仏様と心を通わせる。何かがすっと入ってくる感覚がある。
ご挨拶を終えて、いつもならおみくじを引くのだが、今日はやめておいた。
なぜなら、この後に東京大神宮へ月一のお参りに行くからだ。
おみくじはそちらで引こうと思っていた。
大本堂の階段を降り、右手側に向かう。
受付をした事務所の後ろ側に、小さな六角形の建物がある。六角観音堂だ。
ここには聖観世音菩薩像が祀られているらしい。通称・ぼたん観音というらしい。この前にもお店が開かれて居た。売っているのは、おじいさんで天然石のアクセサリーを扱っているようだった。
その近くに赤い建物がある。三重の塔になっている。
赤い三重の塔の後ろ側に、お地蔵様がたくさんある場所があった。水子を供養していると説明が書いてあった。その場所の雰囲気が、とても怖い感じがした。
魂が集まる場所。人は立ち入ってはいけないところだろう。
右手に曲がると、ひらけた場所に出る。
そこは、周りに石が敷き詰めたれて居て、中央には観音様。周りにたくさんの地蔵様がいらっしゃる。ここは、厄除け弘法大師様のご利益と観音様のご慈悲の功徳を一時に与えてくださる礼拝所。お賽銭を入れ、まず中央で一礼、そのまま念仏を唱えながら観音様の周りを左へゆっくり歩く。一周し、中央で合掌する。
私の祈りが届くといいなぁ。*1
礼拝所の後ろ側には、弘法大師様の立像がある。
ご挨拶をし、先に進む。
すると、池が見えてくる。池の端に、稚児大師像がある。ここは、子育てや学業成就の御利益あるらしい。こちらにもご挨拶を済ませ、池の方を見ていると、声を掛けられる。とても品のあるおばさまがこちらを見ている。
「お姉さん、こっちを見てご覧なさい」
言葉遣いもとても丁寧で、すごく好感を持った。すごくオーラを感じた。
私が近づくと、さっと池の方に手を向ける。
「ここにも、弘法大師様がいらっしゃるの」
おばさまが手を向けた先を見ると、池のほとりに小さな弘法大師様の像があった。
「この弘法大師様に手を合わせてご覧なさい。願いが叶うわよ」
私は言われるがままに、手を合わせた。
「私はね、いつもお祈りをしているのだけれど、ここの弘法大師様が一番、御利益があるのよ」
きっと、あなたにも彼氏ができるわ。そう言ってニッコリと微笑む。
その時、私の願いは叶うんだ。となぜか確信が持てた。
私は大丈夫なんだ。そう思えた。
色々と詳しそうなおばさまに、西新井大師でおすすめの場所はないですか?と訪ねてみる。
すると、場所を案内してくれると、一緒に歩き始めた。
おばさまは「いつも感謝を持って祈りを捧げていれば、必ず叶うわよ」とにこやかに話しをしてくれた。若い頃は全国の寺院を参拝に回っていたと短い時間でいろんなことを教えてくれた。
池の向こう側の森のように木が生い茂っている場所に、観音様が祀られている。
観音様は、ピンク色のお召し物をしており、とても可愛らしい佇まいだった。
「ここは、女性の願いを叶えてくれる観音様が祀られているのよ。手を合わせてご覧なさい。きっと叶うわ」
すごく神聖な雰囲気で、優しい表情の観音様に手を合わせ、ご挨拶をした。
そうこうしているうちに、厄払いのご祈祷の時間が迫っていた。
私は、親切なおばさまにお礼を言って、大本堂へ向かった。
また、お会いできるといいな。素敵なおばさま、ありがとうございました。

*1:ここに脚注を書きます